News

「ジャッカルの日」や「戦争の犬たち」、「オデッサ・ファイル」といったミステリー作品で知られる英国の小説家、フレデリック・フォーサイスさんが9日、病気のために自宅で亡くなった。代理人が発表した。86歳だった。
「アフリカ料理」と聞いて、どんな風景や味を思い浮かべるでしょうか? 『食文化からアフリカを知るための65章』(明石書店、2025年6月刊行)は、多様で豊かなアフリカ大陸の食文化を入り口に、歴史、社会、宗教、移動、環境など、さまざまな側面からアフリカを ...
第2次世界大戦における最激戦地のひとつ、沖縄。沖縄タイムス社編『沖縄戦記 鉄の暴風』(ちくま学芸文庫)は、行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。戦後80年の今年、6月23日の沖縄「慰霊の ...
書店の視点で見ると本という商品は八方塞がりである。原価率に対して価格が安く、利幅が非常に薄い。値は出版社が決め、配本は取次が支配し、とくに中小規模の書店には決定権がない。書店は何度も値上交渉をして来たが出版社の反応は鈍い。薄利多売でも取り分の多い版元 ...
このような工夫を著者は「攻めの休養」と呼ぶ。攻めの休養をとることで、仕事でのパフォーマンスも上がる。一人ひとりの新しい「休み方」が日本を変えていく、と著者は締めくくる。経済学もこのくらい柔らかく語りかければ皆に伝わるのに、と思いながら本書を閉じた。
本の著者が各地の学校を訪ねて特別授業をする「オーサー・ビジット」(朝日新聞社主催)の参加校を募集中です。オーサーは小説家の今村翔吾さん、ジャーナリストの堤未果さん、小説家の藤岡陽子さん、文芸評論家の三宅香帆さん、絵本作家の宮西達也さ ...
自分が捨てた男の部屋を訪ねた女の懺悔(ざんげ)の弁を一人芝居の舞台風に描いた巻頭作からして、胸ぐらを摑(つか)んで揺さぶるかのような熱演に圧倒される。かと思えば、自伝的作品(と思わせる)「宇宙のはじまり」では、不登校の女子中学生の葛 ...
不登校ながらも中学校を卒業し、その後アルバイトを転々としながら、一歩一歩自らの生き方を模索していく青年の物語。彼は、家の中でも仕事先でも、感情をほとんど表に出すことがない。物静かで、一見自己主張が弱そうに見える彼の日常が、淡々と、ひ ...
「わからない」と口にすることが多いため、学校で「わかんないちゃん」と揶揄(やゆ)されている小学4年生の中(なか)。いやだいやだと思う気持ちにがんじがらめにされているように感じ、ぎゅうぎゅうに押さえつけられるようで学校に行くのが嫌だ。
「八咫烏(やたがらす)シリーズ」で人気の阿部智里さんが、新たなファンタジー小説「皇后の碧(みどり)」(新潮社)を書いた。精霊たちが生きる世界で、主人公は後宮の謎に迫る。構想を温めてきた壮大な物語が、小説となって世に送り出された。
ホラーの世界を定点観測する朝宮運河さんの時評です。今回は、矢部嵩さん『未来図と蜘蛛の巣』(講談社)、カミラ・グラドーヴァさん『人形のアルファベット』(河出書房新社)、朱雀門出さん『妹が死んだ時の海亀』(竹書房怪談文庫)の3作品を取り上 ...
作中で、俊介に直接『娘道成寺』の稽古をつけている時の万菊さんが「若い娘になりきってれば、あんな形、恥ずかしくてできやしないんだからね」というセリフがあるのですが、女性としてのたたずまいがそのまま踊りになっているというのは、異次元の世界だなと思いました ...