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理念不在の時代には原始的なものが心を揺さぶる。民族や肌の色――尊厳やプライド、生得的な差異だけが、理念に代わる唯一の世界観となるからだ。E・H・カーが第一次世界大戦後の戦間期に見た「価値喪失のニヒリズム」がふたたび世界を覆ういま、参院選の自民党敗北と ...
第二次トランプ政権が生んだ地政学的変化は継続性を持ち、アメリカと西側世界の利益創出システムを自ら破壊して行くだろう。しかし、それは新たなサプライチェーン構築の動きと一体だ。ミドルパワーとしての日本は何に戦略資源を見出し、企業はどこに針路を見出すべきか ...
8日の両院議員総会は、“ガス抜き”だった先の両院議員懇談会と似た雰囲気で始まった。それが一変したのは後半、有村治子氏が「総裁選の前倒し」に議事を絞るよう求めてからだと、ある出席者は振り返る。有村氏は森山幹事長と周到に打ち合わせたはずとの証言もある。“ ...
トランプ政権が打ち出す政策は「大きくて、美しい、ひとつの法案(OBBBA)」成立で区切りが付き、アメリカ政治には中間選挙を視野に入れた布石の打ち合いが始まっている。中間選挙は政権与党に不利が通例だが、現時点ではむしろ共和党優勢とする分析もある。テキサス州の選挙区割り変更問題など、来年秋に向けて注目すべき焦点を挙げる。
まるで日本を含む民主主義国の政治を描いているような分析が次々と出てくる。実はこの7月に刊行した拙著『古典に学ぶ現代世界』では、ル・ボンに代表される碩学たちの著作を俎上にのせ、それら古典の洞察を現代の政治、経済、社会に照射してみた。
5月のシャングリラ会合で欧州首脳として初の基調演説を行ったマクロン仏大統領は、自国を「平和と均衡のための勢力」と位置づけながら、欧州とアジアが協力する米中どちらにも偏らない「第三の道」構想を提唱した。インド太平洋にはフランスの世界第2位を誇る排他的経済水域の大半が広がり、仏企業「トタルエナジーズ」も湾岸からこの地域にかけて多数の資源開発事業を展開する。その国益確保と一体となった地域安全保障への深い ...
オーバーツーリズムの煽りを受け、人気の観光地には夕食難民が溢れている。解決策として宿泊税導入などが検討されるが、その使いみちは「観光振興」など曖昧だ。このままでは継続しない事業を造成している補助金などと同様、無意味なお金になりかねない。
GENIUS法の成立によって、米国は国を挙げてステーブルコインの普及を後押しすることになった。通貨覇権をもって多大な利益を享受しながら、その再分配と制度維持を放棄した米国は、ステーブルコインによって新たな金融秩序を築こうとしているのだろうか。しかし、 ...
旧ソ連・ロシアが掲げた「反帝国主義」のレトリックは、旧東欧やバルト三国などを支配する「植民地帝国」としての性格を隠蔽した。プーチンがいまウクライナへの侵略を正当化する修正主義にも、やはり根強い帝国意識が見て取れる。ただ、その冷戦思考の残響と言うべき世 ...
先の戦争を振り返り、検証する報道が例年にも増して大々的に行われる戦後80年。周年の記念にも、終戦記念日前後に戦争報道が集中する「8月ジャーナリズム」にも左右されずに取材を続ける二人の記者が、「戦争報道にこだわる理由」を語り合った。
戦後80年を経て、戦争を直接体験した人に取材することはますます難しくなっている。記者として、81年目以降は何ができるのか。戦争体験者が存命のうちにやるべきこと、将来、直接取材ができなくなった時に取り組むべき仕事について聞いた。
「私たちは『グローバル・サウス』について語ると同様に、『グローバル・イースト』についても論じなければなりません。冷戦の影を脱し、真のグローバル政治を考えなければならない」と、ウクライナ出身の政治学者、カテリーナ・ピシコヴァ氏は語った。「グローバル・イ ...
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