台湾積体電路製造（TSMC）と東京大学は12日、先端半導体の共同研究室を東大構内に設置したと発表した。回路線幅1ナノ（ナノは10億分の1）メートル世代以降の先端半導体などを研究する。TSMCが台湾外の大学に共同研究室を設置するのは初めて。TSMCによる投資額は5年間で1500万ドル（約22億円）。東大の浅野キャンパス（東京・文京）に「TSMC東大ラボ」を新設した。TSMCから派遣された研究者と

記者会見で米玉傑共同最高執行責任者（COO）は「東大と緊密に連携し、グローバルな半導体人材を共に育成していく」と強調。東大の藤井輝夫学長は生成人工知能（AI）などの発展に触れ「半導体設計の教育を充実させ、人類共通の課題に取り組む」と述べた。 TSMCは横浜市や大阪市に顧客の半導体設計を支援する拠点を持つ。22年に茨城県つくば市に研究開発拠点を開設し、24年末に熊本県に建設した第1工場が本格稼働した。日本での事業拡大に伴い、人材の採用に力を入れている。（共同）

東大の藤井輝夫総長は「先の見通しが難しい時代にこそ、学外の様々な人たちと協力して、地球規模の課題解決に貢献し、未来を担う人材を共に育てるべきだ。今回の連携を通じて、広く社会実装を見据えて、人類共通の課題に積極的に取り組んでいきたい」と語った。